まずは身体的拘束。年間1万件超の拘束がある。
「基本的にね、精神保健福祉法に則のっとった拘束なわけ。それについて何だかんだ言うのは変だと思うよ」
厚労省で拘束要件を見直す議論が進む。医師の裁量が増え、拘束件数が増える懸念を示す声がある。
「議論が進むのはいいが、現場としては、粛々と法律に沿った形で拘束する。当然じゃない?」
過去20年で拘束件数は2倍に増えた。
「増えた増えたって言うけれど、厚労省が発表しているのは数だけ。病名や性別、年齢も発表していないから、具体的にどういう疾患で拘束が増えたか何もわからないの」
年齢や性別、疾患はこの場合、関係ないのでは。
「関係なくないよ」
どんな疾患でも、拘束されたことに変わりはない。
「中身の分析がなければ数字に意味がないって言っているの。拘束の数だけ発表してるのって変。分析できないのに答えられない」
そうでしょうか。
「精神科病院より一般医療での拘束の方がはるかに多い。知らない? 厚労省の班研究で施設内拘束って6万件あるんだぜ。そっちの拘束をなんで騒がないの?」(軽く机をたたく)
「拘束しないで、患者さんが逆に自殺したとか、転倒骨折したとかの方が怖い。医師が適切に判断していることをね、診察もしたことがないきみが、あーだこーだって言うのって変だと思わない?」「こっちだってね、好きで拘束やってんじゃない。拘束したら、監査の時にカルテを全部ひっくり返して見られてね、しかも診療報酬全くついてないんだよ、あれ」
山崎氏は拘束する権限をもつ精神保健指定医だ。
「拘束? してますよ」
心は痛まないのか。
「はあ? 治療の一環で拘束しているわけで、それを全然現場を知らないきみが土足で入ってきて、心痛みませんかって何なの? 失礼だよ」
取材で心を痛める精神科医に多く出会ってきた。
「ぼくはそんなふうには考えない。適切に法律で決まっている。患者さんの安全を考えて拘束して、なぜ心が痛むの? しないことで、もっと変な結果が出る方がおっかないじゃないか」
当事者は拘束しないでほしいと強く望んでいる。
「できないね。拘束して治療のプログラムに乗せるのが今の法律上の建前だ」
(つづく)
引用元:https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1688878787/
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Source: ニュー速クオリティ