https://gigazine.net/news/20231019-star-bisected-by-relativistic-blades/
巨大な星が寿命を迎えて死んでしまう際に大量の放射線を爆発的に放出する現象が「ガンマ線バースト」です。ニューヨーク大学の研究者がある種のガンマ線バーストについて、星すら真っ二つにしてしまう「プラズマブレード」の放出で説明できる可能性を示唆しました。
ガンマ線バーストは天体がガンマ線を数秒から数時間にわたって勢いよく放出する現象で、瞬間的に消滅するものもあれば、比較的長時間続くものもあるとのこと。ガンマ線バーストがどういうメカニズムで発生するかについてははっきりとわかっていませんが、ガンマ線バーストを引き起こすには大量のエネルギーが必要であるため、超大質量の恒星が極超新星となる時に爆発を引き起こしてブラックホールを形成する際に起こるのではないかと考えられています。
ニューヨーク大学宇宙論・素粒子物理学センターの研究チームは、未査読論文リポジトリであるarXivに掲載した論文で、「比較的長時間継続するガンマ線バーストは、中性子星の形成時に発生する可能性がある」と主張しています。
巨大な恒星が重力崩壊によって超新星爆発を引き起こし、天体の中心核が圧縮された結果、中性子星という天体に進化することがあります。中性子星は直径数十kmで超高密度・大質量を持つ天体なのですが、時に急速な圧縮と回転によって非常に強い磁場を得ることがあります。この強い磁場を得た中性子星はマグネターと呼ばれています。
これまでは、このマグネターの磁場によって周囲にある星の残りかすが引き寄せられ、強力な放射線と磁場によってプラズマジェットがマグネターの自転軸に沿って形成されるといわれていました。しかし、研究チームは、マグネターの磁気遠心力によって赤道沿いにプラズマがバースト照射される可能性も指摘しています。
このバースト照射は星の外側に向かって進むプラズマブレードとなり、超新星爆発よりも大きなエネルギーを放出するとのこと。さらにこのブレードは高密度の恒星を完全に真っ二つにしてしまうほどの威力を持っているそうです。
このプラズマブレードは星の半径の数倍以上の距離を移動した後にようやく勢いを失って消滅するとのことで、これこそが比較的長時間続くガンマ線バーストの正体ではないかと研究チームは推測しています。
研究チームは次の課題として、星を切り裂きながら放出されたプラズマブレードがどのように消滅していくのか、そしてプラズマブレードを放出したマグネターがどのように変わっていくのかについての正確な研究を挙げています。
引用元:https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1697852925/
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Source: ニュー速クオリティ