世界から数十年遅れている日本の中絶事情
現在、日本では、子宮に器具を挿入して内容物を掻き出す「掻爬(そうは)法」が中絶手術の主流になっています。子宮の内容物を吸引する「吸引法」もありますが、あまり普及はしていません。
日本で掻爬法が行なわれている理由は様々ありますが、その一つとして、日本の医師の技術力の高さがあると考えます。
(中略)
前述のどちらとも異なり、薬の投与のみで中絶を行うことができるのが中絶薬です。世界では、約82カ国・地域の医療現場で導入されている方法です。日本では昨年12月にイギリスの製薬会社ラインファーマから承認の申請が出され、現在審査中です。
(中略)
日本で経口妊娠中絶薬の導入が遅れている理由
先ほども触れた通り、日本では昨年12月にようやく中絶薬の承認申請が出されました。世界で最初にフランスで承認された1988年から33年後のことです。
日本はなぜこれほどまでに遅れたかというと、単純に申請がなかったからです。求める声がないところに製薬会社は進出しません。
では、なぜ求める声がなかったかというと、一つは前述の医師の技術の高さによるものです。技術が高く、日本は世界の中でも比較的に安全に中絶手術を行うことができました。それゆえに中絶薬を求める声が上がらなかったのだと思います。
もう一つは、医師の業務が増えることの懸念によるものです。
掻爬法は、基本的には数分〜10分程度で完了する手術で、トラブルや副作用などがない限り、その日だけで全て終了します。しかし、数日かけて服用しなければならない、目視での中絶完了の確認が難しい中絶薬が承認されることで、1人の妊婦に対して数日間対応しなければならないことを懸念する医師も少なくありません。
実際に、私が中絶薬について情報提供した日本医師会での会議でも「現場の医者の仕事をさらに増やす気か」とおっしゃる方がいました。この点については、中絶薬の導入を支持する立場の私自身も、課題と感じる部分ではあります。どのような仕組みにしていくか、しっかりと考える必要がありますね。
※全文、詳細はソース元で
https://shueisha.online/culture/56460?page=1
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Source: 不思議ネット