海上自衛隊さん、カレーを2年間「味見」していた幹部らを停職処分・・・

カレーの誘惑には負けてしまったのか－　「味見」と称して、支給対象外の部下がカレーを食べていたことを見過ごし、自らも食していたとして、青森・八戸市「海自第2航空群司令部」は28日、八戸航空基地隊の50代の男性幹部を停職5日の懲戒処分にしたと発表した。

海上幕僚監部によると、処分された幹部は「私の着任前から『味見』という行為があり、慣例として実施されていた」として「重大な不正である認識はなかった。深く反省している」と話しているという。

この幹部は、同様に対象外の隊員がカレーを食べるのを黙認。そして自分も食べたとして、八戸の幹部を含め計6人が懲戒処分となった。6人は管理者や補佐する立場で、大湊地方隊（青森県むつ市）に勤務していた。

カレーの味見を見過ごしていた期間は、2017年7月から20年3月ごろ。本来的には基地食堂で食事支給されるのは、隊舎に居住、任務上許可された隊員に限る。その後の調査では12年ごろから対象外の隊員計21人がカレーを食していたことが分かっている。

八戸航空基地の食堂ではカレーは人気メニューであるとともにホームページ（HP）において「うみはちカレー」とブランディングして独自のレシピ公開もしている。カレーだけでも、トマトの酸味とバターのコク深い「バターチキンカレー」、イカやホタテの具にイカ墨を隠し味にした「八戸海自カレー」、カレー粉をじっくり弱火で炒めて最後に青森産アップルジュースで整える「こだわりのブラックカレー」、合い挽き肉と野菜を炒めたニューフェース「キーマカレー」などに季節限定の「夏野菜のカレー」など多彩なメニューになっている。

ただし、海上幕僚監部によると「カレーの内容は聞いてませんが、海自の隊員はほぼカレー好きなので普通のカレーだったと思われる」と話している。

海自では航海中に曜日の感覚を失わないようにするため、毎週金曜の献立はカレーとなる伝統がある。海上自衛隊HPでは「艦めし」コーナーで、日本全国の艦艇や部隊それぞれのレシピを紹介していて、特にカレーは54種が紹介されている。【寺沢卓】
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