不動産を売却するさいに、「専任媒介と一般媒介どっちがいいのか?」「それぞれのメリット・デメリットは?」
こういった内容はググってみるとたくさん出てきます。
「専任がいい」「一般がいい」という意見に分かれているのが現実ではな。
そこでここでは、専任媒介と一般媒介のメリット・デメリットから考え、弊社では専任媒介をおすすめする理由を話していきます。
弊社は東京日本橋にある不動産会社です。不動産会社の視点も踏まえ話していきます。
専任媒介のメリット
弊社では専任媒介を推奨していますので、ここのメリットについてが肝ということになります。
具体的にいくと、
- 窓口の不動産会社が1社のためシンプル
- 不動産会社にとっても収入が見込めるためメリットがあり、親身に動いてくれる
この内容はごくごく一般的に耳にする内容のため、順に掘り下げて解説していきます。
窓口の不動産会社が1社のためシンプル
不動産を売却するときには窓口となる不動産会社を選ぶ必要があります。
1社だけ選ぶ場合(専任媒介)と複数社選ぶ場合(一般媒介)です。
あくまで「窓口」となる不動産会社というところが重要なポイントです。
当たり前ですが、1社とやり取りをするのと、複数社とやり取りを売却期間中(3か月~6ヵ月ほど)行うのは1社だけの方が、シンプルとなり、手間も半減します。
一般媒介の場合、複数社と媒介契約を結ぶところから始まりますので、それぞれの会社へ足を運ぶにしろ、郵送でハンコを押して返送するにしろ結構な時間と手間は正直かかります。
不動産会社の数が増えれば増えるほどより労力は多くなります。
不動産会社にもメリットがあり、親身に販売活動をしてくれる
よく言われる専任媒介のメリットで、「1社だけに任せると、任された1社は頑張って広告を打ってくれたりしてくれるから良い」というものがあります。
ですが、弊社ではこのメリットの言い方は少し違っていると思います。
理由を不動産会社の目線で解説していきます。
内容は、
- 「1社だけだから広告を積極的に」は半分正解で半分不正解
- 不動産会社にとってはメリット大。売主(オーナー)のために活動できる
順に解説していきます。
「1社だけだから広告を積極的に」は半分正解で半分不正解
なぜ半分正解で半分不正解なのか?
一般的には専任媒介のメリットとして大きく取り上げられる内容です。
まず、不動産を売却するあなたが専任媒介をA社と結んで、自宅を売りに出したとして話をしていきます。
そもそもA社はまず何をするのかご存知でしょうか?
専任媒介を結んだ際に必ずやらなければならないことは、7日以内にレインズと言われる不動産会社専門の物件データベースへの登録です。
(参考: 一般の人も同じ物件情報をみることができる無料サービスもあります)
レインズに登録すると、簡単に言ってしまえば、日本全国すべての不動産会社がその物件情報を閲覧でき、また自社のお客さんに紹介できます。
そして実際にあなたの家にお客様を連れていき内見となるのです。
その時のやりとりをする窓口は当然A社となります。
A社を通して、不動産会社Bが内見のアポを取り、A社立ち合いのもとであなたの家に内見に伺います。
そして、めでたく申込をするということになれば、B社はA社へお客様の申込書を渡し、あなたへ届けてくれるのです。
無事に契約へと進めることとなった場合は、A社があなた側の仲介会社でB社が買う人側の仲介会社となります。
これが一般的な不動産売買の取引の流れなのですが、A社は必ず積極的に広告を打つでしょうか?
打つ打たないは正直、その不動産会社の考え方によります。
広告より一番重要なのは、しっかりとあなたの家を市場に出し、日本全国の不動産会社へ誠意ある対応をしていき、あなたへの販売状況の報告もしっかりと規定通り2週間に1回行うことです。
一般の人たちからみれば、スーモやホームズ、アットホームなどへもA社が掲載すると思っている方が多いのですが、そもそもそれも違います。
A社が許可をだせば日本全国の不動産会社が紙媒体の広告も打っていいし、スーモやホームズ、アットホーム、各々の不動産会社のホームページへも掲載が可能です。
こういった理由から、半分正解で半分不正解としました。
何が一番言いたいかというと、専任媒介でもあなたの物件情報はいくらでも市場に広がっていき、買い手候補の目にとまるということです。
不動産会社にとってメリット大。売主(オーナー)のために活動できる
家を売るあなたにとって、専任媒介を任せたA社は重要な存在であることは間違いありません。
そしてA社からみても、あなたは重要な存在となります。
そもそも、A社はボランティアであなたの不動産売却をお手伝いしているのではありません。
ビジネスとしておこなっています。専任媒介はこの点でも強みがあります。
A社はあなたの家が無事に成約となった場合、あなたから成果報酬として仲介手数料を頂くことが確約されています。
一般媒介の場合はどこの会社を窓口にして、成約となるかわからず、自社でなければ0円ということになります。
そのため、専任媒介の場合はしっかりとあなたによりそった販売活動をするはずですし、しっかりと報告・連絡・相談もしてくれるはずです。
もしも、あなたの信用を完全に失うようなことが途中であれば、あなたは専任媒介を他の会社に乗り換えることができます(3か月間の契約満了後)。
そうなったらA社にはなんのメリットもありません。成果報酬0円で終了です。
通常、専任媒介を結んだ不動産会社は人の財産を預かっているため、しっかりと業務をおこなっていくことが当たり前です。
こういった内容から、あなたに寄り添った活動をしてくれるのは専任媒介であると言えます。
専任媒介のデメリット
これはメディアでも取り上げられたこともある「囲い込み」です。
囲い込みとは、
あなたの家をA社が窓口としてレインズに登録する
↓
B社からお客さんを内見に連れて行きたいと言われる
↓
A社が「商談中」「申込がはいっている」と嘘を言う
↓
B社はお客さんに断りをいれる
この時、実際には物件は絶賛売り出し中なのです。
結論から言えば、これは家を売るあなたにとって大きな機会損失であるというのは疑いようのないことです。
当然です。A社がいわば私利私欲であなたの家の販売活動を勝手に制限してしまっているのですから。
ではなぜ、囲い込みをするのか?
それは、A社が成約の際にあなたからも買う人からも成功報酬(仲介手数料)をもらえるためです。
A社とすれば、あなたの家を売ることで2倍の報酬を得ることができるのです。
そのため、企業利益を追求し、あなたの重要な資産の売却活動を勝手に制限してしまうのです。
あなたから果たしてA社に「どうか囲い込みをして下さい」とお願いすることはあるでしょうか?
あるわけがありません。
普通に考えて、日本全国の不動産会社がお客さんをあなたの家に内見に連れてきてもらった方が、明らかに成約に近づく可能性が高いというのは小学生でもわかる理屈です。
専任媒介は1社のみを窓口とするため、この囲い込みが1番のデメリットであるというのは間違いありません。
囲い込み予防法
一時、メディアでもこの囲い込みが取り上げられ、不動産協会側も対策を打ち出しました。
今現在、あなたがA社と専任媒介を結ぶと、レインズの登録番号なるものを教えてもらえるようになりました。
こちらの番号で専用のサイトに入っていけば、今現在あなたの家の販売状況が、A社以外の不動産に対してどのように告知されているのか確認することができます。
例えば「申込あり」や「売出休止中」などといった内容です。
これは売主であるあなたにとっては大きなメリットなので、必ず専任媒介を結んだらこの番号を教えてもらいましょう(言わなくても不動産会社より連絡がありますが念のため)。
この囲い込み対策も、現段階では専任媒介だけのシステムであり、一般媒介では利用できません。
こういった内容も踏まえ、弊社では不動産の売却は専任媒介をおすすめしています。
一般媒介のメリット
一般媒介は1社だけでなく、売却の窓口を複数社にする形です。
ここまで専任媒介をおすすめしましたが、「一般媒介のメリットは?」というところです。
正直、専任媒介の方がメリット大と考えているので、あくまで一般的に言われるメリットに対しての(反対)意見も入ってしまいそうです。
- 知り合いの不動産2社にお願いすることもできる
- 大手と地元に強い不動産会社に同時にお願いできる
- 1社だけじゃないので売るのをやめた時に断るのが楽
順番にみていきます。
知り合いの不動産2社にお願いすることもできる
例えばあなたが、町内会に入っていて、時々行われる行事にも参加し、みなさんと良好な関係を築けているとします。
その町内会には地元の不動産会社も2社参加しています。あなたはその2社に一般媒介でお願いする可能性は高いと思います。
むしろ日本人の性格を考えれば、当たり前のようにそうする人がほとんどかもしれません。
これはこれでいいと思います。地域の付き合いもありますし、次の買い替え先がまた近所ということであればなおさらだと思います。
事実、この記事を書いている私でもそうすると思います。
どちらで成約になるかは別として、頼まれた不動産会社2社も同じ町内会のメンバーのため、変な仕事をするはずはありません。
これはこれで一般媒介ならではのメリットなのではないかと思います。
大手と地元に強い不動産会社に同時にお願いできる
これは先ほどの専任媒介での話を考えればメリットであるとは言えないと思います。
大手であろうが地元に強い会社であろうが、やることは同じです。
成約に向けてあなたの家をレインズに登録し、あなたと日本中の不動産会社へ誠心誠意を持って対応していくだけです。
やはり、大手でも地元系の会社でも窓口は1社にして、専任媒介の囲い込み防止のシステムも活用しつつ、より早く成約に向けて動いたほうがあなたにとってメリットがあると思います。
大手を窓口にしても、地元に強い会社がお客様を内見に連れきてくれますし、地元に強い会社を窓口にしても、大手がお客様を内見に連れてきてくれることは当たり前なのですから。
1社だけじゃないので売るのをやめた時に断るのが楽
不動産を売りに出したもの、途中で家庭事情も変わり、売るのをやめたり、延期するということはよくあります。
こういったときには、専任媒介を結んだ非常に親身になって活動してくれていた1社にお断りを告げるのは心苦しいものです。
逆に複数社に一般媒介でお願いしていたとしたら、もうちょっと断りやすいと思います。
このあたりを一般媒介のメリットと呼んでいいものかどうかというところですが、一応メリットとさせてもらいました。
一般媒介のデメリット
ここまでの内容から逆算すると、一般媒介のデメリットは自ずと浮かびあがってきます。
- 不動産会社はあなたへの販売状況の報告義務がない
- 不動産会社は自分のところで成約となる保証がない
- 一般媒介だと世の中への露出が増えるというのは誤り
順にみていきます。
不動産会社はあなたへの販売状況の報告義務がない
これはあなたにとっては明らかにデメリットではないでしょうか?
専任媒介では2週間に1回、販売活動の状況や問い合わせの数や内容、これからの見解などをあなたへ提出しなければなりません。
一般媒介ではこれがないため、「今どうなってるの?」と不安になることは多いとよく言われます。
毎週末に内見のお客さんが数件来ているのならまだしも、3週間内見に誰も来ていない状況であれば、あなたとしては不安になることは無理もありません。
ここは一般媒介のデメリットであると言えます。
不動産会社は自分のところで成約となる保証がない
どこの会社で成約になるのかわからないため、積極性には欠ける恐れがあります。
しかたがないと言ってはいけないのかもしれませんが、不動産会社としてもビジネスです。
最終利益が0の可能性も高い一般媒介よりも、専任媒介の業務を優先せざるをえないのは企業としての宿命でもあります。
もちろん、「一般媒介も多数取得していきたい」という不動産会社もありますので、どうしても一般媒介がいいという人は、各会社のスタンスを確認しながら決めていけばいいと思います。
一般媒介だと世の中への露出が増えるというのは誤り
一般媒介のメリットとしてよく目にするのですが、この認識は大きな間違いです。
先ほどの専任媒介のメリットでも話したのですが、あなたが専任媒介の窓口として選んだA社が、日本中の不動産会社へ「広告宣伝は可」とすれば、世の中のあらゆるメディアにあなたの家の情報は掲載されます。
スーモ、ホームズ、アットホーム、ヤフー不動産、各不動産会社のホームぺージなどなど。
一般媒介であると販売ルートが増えるというのは誤った認識であるというのはお分かり頂けたと思います。
おすすめは一括査定サイトを利用して専任媒介を結ぶ!
ここまで、メリットとデメリットについて触れてきましたが、最後に、専任媒介を結ぶ会社をどう決めるかというところです。
今の時代、ダントツのおすすめはネットでの一括査定です。
車の買取や引っ越し業者の見積もりなどでは、すでにかなりメジャーであり多くの人に認知され利用されている優れた方法というのは知っているかと思います。
今では、不動産売却についても非常に多くの人がこの一括査定を利用しています。
査定をお願いするあなたは、もちろん無料で利用が可能です。
不動産会社の立場からみておすすめするやり方は単純です。
- 数社に査定依頼する
- 査定価格を確認
- 専任媒介を結ぶ1社を決める
順に少し掘り下げて解説していきます。
①数社に査定依頼する
今となっては当たり前となりましたが、いくつかの不動産会社に必ず査定依頼しましょう。
やはり、不動産会社によって査定価格は違います。
大きく異なることはないのですが、たとえ若干の価格差でも、不動産というものでは100万円単位の違いとなることが多いのが事実。
複数社に査定してもらう必要があるのは明らかです。
例えば車を売ろうと思ったときに、1社に出向き、査定を出してもらったら、その場で「はい、売ります」とはならないはずですよね。
大半の人はネットで一括査定を試みてから行動をするはずです。
私も以前プリウスを売却した時は、一括査定依頼をし、無事に一番高く条件面もいいところに納得して売却できたことがありました。
それぞれの会社では、やはり買取価格も違ったため、一括査定を利用してよかったと思ったのを思い出します。
不動産売却は車以上の価格を動かすことになるものです。
もし知り合いに信頼のおける不動産会社がいる場合はいいのですが、その他の場合は必ずいくつかの会社に査定依頼をすることは忘れないで下さい。
今ではスマホでも無料ですぐにできる時代なのですから。
②査定価格を確認
一括査定をすると、当然、あなたの家の査定価格がそれぞれの不動産会社から出てきます。
その時に、比較したところあまりに低い査定価格は論外ですが、あまりに他社よりも高い査定価格の場合にも注意が必要です。
プロである不動産会社で査定価格に大きく差が出ることは通常まずありません。
高すぎる査定価格は恐らく専任媒介を取得したいがための価格だと思われます。
今のネット社会では同じマンションで同じ広さ、価格が500万円違うとなれば、同じスーモに並んでいたら明らかに高いと一目瞭然で一般ユーザーは認識できてしまいます。
残念ながら、相場よいも明らかに高い価格では成約は見込めません。
結局は価格を下げなければいけないことになるでしょう。
長い期間高い価格で売出していれば、売れ残り感がでてしまうことすらあります。
買う物件を真剣に探している人は、毎日のように物件サイトをみているものです。
このようなことを踏まえ、極端に他の不動産会社よりも高い査定価格には注意が必要です。
③最後に専任媒介を結ぶ1社を決める
ここまで、査定にあたりメールでのやりとりや電話でのやりとりもあったかもしれません。
また、査定にあたり、あなたの家にも実際に不動産会社の営業マンが訪れ、いくらかの会話もしたはずです。
それらのやり取りでの印象+査定価格+セールスポイントをもとに専任媒介を結び、あなたの窓口とする不動産会社を選びます。
「やり取りしやすい」「フィーリングが合う」「信頼できそう」などなど。相性は非常に重要だと思います。
あなたがいざ家を売りに出すと、査定の時以上に、専任媒介を結んだ不動産会社とのやりとは断然増えます。
週末の内見の日程調整や販売状況の報告、価格の見直し相談、今後の売却戦術、売り手買い手の価格面の調整、契約内容(条件)の調整、引渡し時期の調整、日々のちょっとしたやりとり、などなど連絡をとりあうことは多岐にわたっていきます。
あなたが電話派であれば、電話でのコンタクトがとりやすく話しやすい担当者がベターとなるのは言うまでもありません。
メール派であっても返信が早い・遅いはどうしてもお互いのペースがあります。
こういったところも査定価格以外の部分ですが、重要であることは覚えておいた方がいい点です。
実際に専任媒介を任せる会社を決めたら、あとはお互いに相談をして売却希望時期などを確認しながら成約へ向けて進んでいくだけです。
おすすめ一括査定サイトのご紹介
さて最後になりますが、ここで不動産会社である弊社からみたおすすめの査定サイトのご紹介をしておきます。
一括査定はもちろん全て無料でできます。
『リビンマッチ』
- 全国約1400の不動産会社が登録
- 最大6社に一括査定依頼可能
- 大手不動産会社の加盟あり
- 利用者数440万人突破
- 運営会社は東証マザーズ上場企業
やはり、安心感のある大手不動産会社が加盟しているのが強みです。
- 住友林業ホームサービス
- 大成有楽不動産販売
- 大京穴吹不動産
- 近鉄不動産
このあたりの会社は誰しも知っているのではないでしょうか?
さらに、マンション売却には非常に定評のあるオークラヤ住宅や元プロ野球選手の古田さんのCMでおなじみのハウスドゥなども登録されています。
運営会社も上場企業であり、2017年の利用者が440万人以上という点からみても、信頼でき人気のある一括査定サイトであることは間違いありません。
是非、大手+地元系の6社に査定依頼をしてみることをおすすめします。
Source: マイホーム購入体験談