当社は東京の中央区日本橋兜町にある不動産会社です。
ここでは、「不動産会社は契約を急かすことが多いので、気をつけましょう」という、アドバイスをしつつ、自社の信頼を勝ち取り営業をするわけではありません。
当社としては、急かすには理由があり、それは間違いでもあり、時には正解でもあると考えています。
物件というのは特有な商品で、全く同じものがなく、即決できないことでの買い逃し(借り逃し)という状況も多く存在するのも事実。
そんな時に不動産会社が急かすことで、決断でき「背中を押してもらった」と後に感謝されることがあるのもまた事実です。
ですが、契約を急かされても、一番大事なことは結局、冷静になって判断するということに他なりません。
(※当社が契約を急かす不動産会社というわけではありません)
不動産会社に契約を急かされた話はよく聞くことがある
賃貸・売買に関わらず、知人含めいろいろな人から契約を急かされた話を聞くことがあります。
先日も、友人より新築の戸建を購入した時に、不動産会社に「今日決めて下さい」というような営業を家族で受けた話を聞きました。
その友人は、内見後にムードは家族で高まっていたため、申込をしようとは思ったけど、一旦持ち帰って冷静に考えて家族で話をし、後日その物件の購入を決めたようです。
家族としても購入したことを満足しているようで、良い話だなと思いました。
ですが同時に、物件を見た後は「気持ちが高揚している状態だった」ということも言ってました。
「住みたい!」というムードになっていたため、不動産会社の営業に言われたように、その場ですぐ申込をしてもおかしくなかったとのこと。
実際、賃貸・売買関係なく、物件を内見した直後は、やはりムードが最高潮であることは間違いありません。
これは、不動産会社の人間が自分の家を決める時も変わりなく、事実私自身も、これまで賃貸を借りた時、今の自宅を購入した時もまた然りでした。
これは住宅ばかりではなく、洋服やアクセサリー、その他様々な買い物についても同じことが言えるのではないでしょうか。
賃貸も売買も不動産会社はなぜ契約を急かすのか?
ここで本題に戻しますが、「なぜ、不動産会社は契約を急かすことが多いのか?」。不動産会社の立場から2つ主な理由を挙げてみます。
※当社が急かすわけではありません。
ノルマ
不動産業界に限らず、あらゆる営業は、まずはここが大きな理由ではないでしょうか。
どの会社でも営業マンには必ずノルマがあるもの。このノルマ達成のために、やや強引な営業をしたりしてしまうこともあるでしょう。
お客様側視点では、「これは果たして必要なことなのか?」と問われれば、全く関係ないことです。
強引にセールスされた場合は、まずははっきりと自分の意志を伝えるべきです。
同じ物件は存在しない
これは不動産特有の理由です。
例えば、新築戸建(建売住宅)が10棟同時に販売されている現地があるとします。
1号棟と5号棟は南向き、北向きと方位が違ったり、道路も東南角地や北道路、幅員6メートルか4メートル、4LDKか3LDKか、リビングが1階か2階か。
駐車しやすい・しにくい、日当たりや風通しが良いか悪いか、土地の形が良いか変形地か、価格が高いか割安かなどなど、同じ販売現地でも全く同じ物件というものは存在しません。
賃貸の場合でも、同じマンションで4つの物件が募集中であっても、階数、日当たり、眺望などなど、全く同条件の物件は存在しません。
つまり、同じ商品、在庫というものがないのが物件というものです。
その中で、少しでもお客様が気に入った場合、不動産会社としては、おすすめしているということになります。
不動産会社の営業マンはこれまで様々なお客様をみてきましたし、物件を決める時にも居合わせます。
契約の場にも立ち合いますから、そもそも場数が一般の方とは全く違います。
営業マンは「今決めないとこの物件がなくなる可能性も十分ある」ということを知っています。
そのため、「おすすめする=急かす」という状況になりやすいのだと思います。
(物件の流通システムによる理由もまたあるとは思います。参考:なぜ同じ物件を違う不動産会社でも取り扱えるのか?)
不動産会社から契約を急かされた場合はどうすればよいか?
営業マンに悪気は無いことも多いのですが、まずは冷静に考えることが第一です。
さんざん物件を探してきて、「これしかない!」という状況であれば、それは確信だと思いますので、即申込をしても問題はないでしょう。
ですが、「なんとなくこの物件がいいかな」というレベルであれば、即申込をする前に一旦冷静になった方が無難です。
例えば、一旦昼食や喫茶店などを挟み冷静に考えたり、一旦持ち帰って一晩冷静に考えたりというようにです。
持ち帰って、知人や親御さんへ相談してもいいでしょう。実際にそういった方も多いです。
不動産会社に急かせれることは、悪いようにに聞こえるかもしれませんが、「背中を押してもらった」と後に感謝されるケースもまたあったりします。
当社も不動産会社のため、物は言いようで、「そう言うのは営業でしょ」と思われても仕方ないですが、要は、「踏ん切りがつかなかったけど、押された(急かされた)ことで決断できた」といった結果論です。
これはジュエリー業界や保険業界など、高額だったり、長期で支払いが続くような業界でもよく言われるそうです。
最後に結論として、ここまでの話で言えることは、「急かせれても、まずは冷静になってから結論を出すのが良い」ということになります。
Source: マイホーム購入体験談